応用情報、落ちました。非エンジニアが勉強時間60時間くらいでは無理でした

2025年4月、応用情報技術者試験の午前試験を終え、結果は47/80(58%)。合格ラインには僅かに届きませんでした。巷では「全然勉強してないけど受かった」なんて声も聞かれますが、これは数ヶ月間、自分なりに計画を立てて真剣に取り組んだ結果です。

私のスペック

  • 大学: 理学部物理学科(修士卒)
  • 職業: 非IT職(製造業)
  • 資格: 基本情報技術者(2023年取得済)
  • プログラミング知識: 趣味でC言語に挑戦するも挫折。その後、ChatGPTなどの助けを借りながら、PythonでスクレイピングやGASで簡単な管理システムを作成した程度。エンジニアが使う専門用語はまだまだ理解不足。

学習の軌跡と結果

  • 2024年12月: Udemyで応用情報の動画を視聴(25時間)。まずは全体像を掴むことを意識しました。
  • 2025年1月: 過去問道場(午前)で演習を開始。基本的な問題に触れ、自分の弱点や理解度を確認しました。
  • 2025年2月: キタミ式参考書と過去問道場を併用して学習。インプットとアウトプットを繰り返しました。
  • 2025年3月: 家の購入と引っ越し準備が本格化し、ほとんど勉強できず。
  • 2025年4月: 引き続き引っ越し準備に追われ、試験直前もほとんど勉強時間を確保できませんでした。
  • 結果:
    • 午前: 47/80 (58%)
    • 午後: 自己採点 約50%

率直な所感

引っ越しという大きなライフイベントと並行しながら、直近2ヶ月はほとんど勉強できなかったにも関わらず、合格点に近いところまで到達できたことに、正直なところ満足しています。

振り返ると、私は昔から試験勉強というものが大の苦手。「なぜこうなるの!?」「これはどういうこと?」という疑問が頭から離れず、表面的な暗記だけでは全く身につかないタイプです。だからこそ、今回の応用情報技術者の学習では、「理解すること」に徹底的に重きを置きました。

例えば、ネットワークの階層構造であるOSIモデルを学ぶ際には、単に7つの階層名を覚えるのではなく、実際に自宅のルータのランプがどのように点滅しているのか観察したり、PCのコマンドプロンプトでipconfig /allを実行してDNSサーバのIPアドレスを確認したりしました。「教科書に書いてあることは、現実の世界でどうなっているんだろう?」という問いを常に持ちながら学習を進めたのです。

本質を捉える学習へのこだわり

私の学習方法は、決して効率的ではなかったかもしれません。しかし、表面的な知識の詰め込みではなく、原理原則から理解しようと努めたことは、今後においても決して無駄にならないと信じています。

具体的にどのような点にこだわって学習してきたのか、いくつか例を挙げさせてください。

ネットワーク分野:身近な機器と紐付けて理解する

リピータ、ブリッジ、ルータ、スイッチといったネットワーク機器の基礎を学ぶ際も、OSIモデルの各層とそれぞれの役割を関連付けながら、段階的に理解していきました。IPアドレス、MACアドレス、DHCP、DNSといった基本的な用語についても、「何が違うんだろう?」「どんな役割があるんだろう?」と一つ一つ丁寧に区別していきました。

また、tracertコマンドを使って、実際にインターネット上のサーバまでどのような経路を通るのかを確認してみるなど、座学だけでなく手を動かすことも意識しました。自宅や会社のネットワーク構成を簡単な図にしてみることで、知識と現実世界を結びつけるように努めました。

データベース分野:「なぜ?」を繰り返す

SQLの基本的な構文や正規化、ER図の読み方など、データベースの学習は私にとってなかなか手強い分野でした。しかし、分からないことがあればすぐに「なぜ?」と立ち止まり、参考書やネットで徹底的に調べるようにしました。

GROUP BY句やJOIN句など、多くの人が混乱しやすい部分も、具体的なテーブルデータを使って実際にSQLを実行してみることで、挙動を肌で感じることができました。「1対多」や「テーブルとレコードの関係」といった基本的な概念も、図を書いてイメージ化することを繰り返しました。

セキュリティ分野:「登場人物」と「仕組み」を整理する

公開鍵暗号、ハッシュ関数、デジタル署名といったセキュリティの概念は、どうしても抽象的に感じられます。そこで、それぞれの技術に「登場人物」と「仕組み」を設定し、物語のように捉えることで理解を深めました。

例えば、公開鍵暗号であれば、「送信者Aさん」「受信者Bさん」「鍵の管理者」といった登場人物をイメージし、それぞれの役割と鍵の受け渡し、暗号化・復号化の流れを図で整理しました。WAF(Web Application Firewall)やファイアウォール、VPN、DMZといったセキュリティ対策についても、それぞれの役割や設置場所を現実の建物や組織に例えて考えることで、具体的なイメージを持つように努めました。

焦燥感と向き合いながら

もちろん、常にモチベーションを高く保てたわけではありません。特に試験直前の2ヶ月は、引っ越しの準備で思うように勉強時間を確保できず、焦りを感じる日々もありました。そんな時は、「完璧を目指すのではなく、今できることを少しでもやろう」と自分に言い聞かせ、短い時間でも参考書を読んだり、過去問を数問解いたりするようにしました。

AIとの対話が支えになった

今回の学習で、ChatGPTのようなAIツールは間違いなく大きな助けとなりました。参考書を読んでも理解できない専門用語や概念について質問すると、分かりやすく解説してくれたり、具体的な例を挙げてくれたりしました。まるで、優秀な家庭教師が常に 横にいてくれるような感覚でした。

最後に

今回の応用情報技術者試験の午前は、残念ながら不合格という結果に終わりました。しかし、数ヶ月間、自分なりに試行錯誤しながら本質的な理解を目指して取り組んだ経験は、決して無駄ではなかったと感じています。

「なぜ?」という探求心を大切に、これからも学び続ける姿勢を忘れずにいたいと思います。今回の経験を糧に、次の機会に向けてまた一歩ずつ進んでいきたいと思います。

もし、同じように「暗記が苦手だけど、ちゃんと理解して合格したい」と考えている方がいらっしゃれば、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。

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